2013年2月3日日曜日

悪役プレイが格好いい。「放課後ライトノベル」第50回は『ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・デザイ

?合鴨ひろゆき。晃士朗は「ダブルクロス」の生みの親であるゲームデザイナー?矢野俊策が担当。そして九鬼は『レンタルマギカ』(角川スニーカー文庫)などの著者であるライトノベル作家?三田誠が演じている。いずれもキャラのツボを押さえたプレイングで魅せてくれるが,中でも母の道具を自認していた朱香が,驚くべき成長を遂げる様を見事に演じきった若林直美のプレイングには「さすがは役者」と唸るばかりだ。  作中に頻出する専門用語の意味をきちんと理解するには,ugg,ルールブックなどを併せて読むことが必要だが,読まなくても前後の文脈からなんとなく雰囲気を読み取ることで十分楽しめるレベル(経験談)。当初,全4巻予定だったのが,好評を受けて全5巻になったという本作。リプレイには馴染みがないといった理由で読まず嫌いを決め込むには,あまりにももったいなさ過ぎる。  悪の組織の一員である朱香とミユキの二人が,いかにして最終巻の表紙に見られる,幸せそうな笑顔を得るに至ったのか。元からのTRPGファンはもちろん,そうでもない人にもぜひ自身の目で確かめてほしい,TRPGリプレイの秀作だ。 ■リプレイ未体験の人でも楽しめる,TRPGリプレイガイド 『アリアンロッド?リプレイ?ルージュ ノエルと薔薇の小箱』(著者:菊池たけし/F.E.A.R.,イラスト:佐々木あかね/富士見ドラゴンブック)  「TRPGリプレイ」と一口に言っても,プレイするゲームやテーマによって内容はさまざま。そこで今回のコラムでは,『デザイア』と同じ富士見ドラゴンブックで刊行されているものの中から,リプレイ未体験の人でも楽しめる(はずの)作品をいくつか紹介しよう。  最初に紹介するのは『アリアンロッド?リプレイ?ルージュ』(全4巻+外伝1話),ugg アグ。TRPG初プレイとなる声優?力丸乃りこを主人公のプレイヤーに据えた,抱腹絶倒間違いなしの一作。前半は新米冒険者である主人公を周囲のベテラン(プレイヤーとしてもPCとしても)がサポートする形で和気藹々と進むが,後半に思わぬ展開が待ち受けており,それを乗り越えた先に待つ結末は実に感動的。初心者から熟練者まで幅広くおすすめできる名作リプレイだ。  続いては,『デザイア』と同じ「ダブルクロス」のリプレイの一つである『ダブルクロス?リプレイ?トワイライト』(著:田中天/F.E.A.R.)。1930年代の世界各地を舞台に,柊瞍慰炷袃?天花寺大吾が快刀乱麻の活躍を見せる痛快娯楽活劇
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