2013年2月26日火曜日

[CEDEC 2012]8ミリ映画制作の精神が今も活かされている。マットアーティスト・上杉裕世氏の基調講演「デ

。格納庫にはハン?ソロの宇宙船ミレニアム?ファルコンやAウイングなどの機体がいくつも並んでいるが,これらはなんと,ドラゴンクエスト10 RMT,すべてマットアーティストの手描きによるものなのだという。 ※本映画は当初「ジェダイの復讐」(REVENGE OF JEDI)のタイトルで公開されたが,現在は「ジェダイの帰還」(RETURN OF JEDI)のタイトルに改められている  また,同じく「ジェダイの帰還」において,rmt,大広間に帝国軍のストーム?トルーパーや士官達が並んでいるシーンも紹介された。このシーンにおける実写部分は,生身の顔が見える帝国軍の士官達のみで,その周りにいる大勢のストーム?トルーパーや背景などはすべてマットペインティングにより描かれている。「ジェダイの帰還」の公開当時,上杉氏はまだ学生で,こういったILMの手がけた特殊効果を見て大きな衝撃を受けたそうだ。  こういった例から分かるように,マットペインティングなら,大がかりなセットや手の込んだコスチュームなどを用意するコストを抑えつつ,さまざまな表現が可能となる。  一方で,それらを作り出すマットアーティストに対しては,やはり非常に高い能力が要求される。マットアーティストに必要なスキルとして上杉氏が挙げるのは,「ショット(画面)の主眼点をどこに置くか,観客の目をどのように騙すかをデザインする力」「実写と同じトーンで写実的な絵を描き,(実写とイラストの)境目がどこにあるのか分からないようにブレンドする力」といったものだ。  中でも,実写とイラストをブレンドする作業については,デジタル製作環境が整った現在ならわずか数分で済んでしまうが,上杉氏がILMに入社した頃はまだフィルムの時代だったため,非常に根気のいる作業だったという。具体的には,実写の映像とうまくマッチするような色を試しながら一旦撮影を行って,実際に上がってきた結果を見て色を調整し,再度撮影を行う……といったことの繰り返し。当時は1度撮影を行ってから結果が上がってくるまで一晩を要していたそうだ。 デジタル技術を活かして,マットペインティングでも3次元の表現を実現  上杉氏がILMに入社したのは1989年のことだが,それから3年が経つ頃にはデジタル化の波が訪れ,やがて上杉氏の製作環境もフルデジタルへと移行したそうだ。デジタル技術の導入は,マットペインティングにどのような影響を及ぼしたのだろうか。  従来のマットペインティングが抱えていた課題として,上杉氏が指摘するのは「2次元の表現から逃れることができない技術である」という点だ
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